【グランドスラム オブ カーリング】ナショナル(11月29日/カナダ)
勝敗を分けるスーパーショットだった。ロコ・ソラーレのスキップ・藤澤五月が第6エンドの最終8投目で狙い通りの場所にピタリと止めるコントロールショットを披露。ミリ単位の繊細さが求められる場面では解説者もファンも「止まれー!」と思わず声が出るほどその瞬間に熱くなり、ショットが決まると大きな歓喜が巻き起こった。
カーリングの国際大会「グランドスラム オブ カーリング」ナショナルの予選が行われ、日本女子のロコ・ソラーレは第4試合でカナダのチーム・ロウズ(Lawes)と対戦した。
注目のシーンは2ー3で1点を追いかける第6エンドだった。後攻のロコ・ソラーレは最終第8投を前に、緊迫の瞬間を迎えていた。ハウスの中には日本の黄色が2つ、相手の赤が3つ、ナンバー1ストーンは日本が持っていた。しかし、中心に近い位置にナンバー2ストーンの赤があるため、ロコ・ソラーレはそのさらに内側を狙う決断を下した。
カーリングで有利とされる後攻では、1点ではなく2点以上を挙げて相手を逆転しておきたい場面であり、投球者であるスキップの藤澤五月には、絶妙なコントロールショットが求められるシーンだった。
そして藤澤は、中央左側のレーンから内巻きに中心を狙うショットを投げた。
スイーパーの鈴木夕湖と吉田夕梨花はほとんど氷をスイープすることなく、ハウスに近づくにつれて石の行方を見守るようについていく。前方に待ち構える吉田知那美が停止位置を示している場所へと、石は曲がっていった。解説を務めた元ロコ・ソラーレのメンバー石崎琴美さんも思わず「どうだ、止まれ!止まれ」と祈るように声を出す中、黄色の石は中央のナンバー1ストーンにわずかに当たると、そのすぐ横へ動き、赤のナンバー2ストーンより内側にピタリと停止した。
石崎琴美さん「一緒に戦っている気持ちだった」