【グランドスラム オブ カーリング】ナショナル・準々決勝 (12月1日/カナダ)
今大会を通して、最も大きな叫びだった。
ロコ・ソラーレの第2エンド、サード・吉田知那美が投じた5投目を受け、前方で指示を出すスキップ・藤澤五月が、スイーパーに対して「ヤーーーップ!」と大絶叫。試合のターニングポイントの一つとなったシーンには視聴者も驚きの声を挙げていた。
カーリングの国際大会「グランドスラム オブ カーリング」ナショナルの予選を3勝1敗として決勝トーナメントに進んだ日本のロコ・ソラーレは、準々決勝でカナダのチーム・エイナーソンと対戦。注目のシーンは試合序盤、1ー0でリードして先攻で迎えた第2エンドのことだった。ロコ・ソラーレはサード・吉田知那美の第5投目を前に、ハウスの中には相手の黄色が2つ、日本の赤が2つ。ナンバー1とナンバー3ストーンを相手が持ち、ハウスの手前には、日本のガードストーンが2つ置かれている状況だった。
ここで解説・市川美余さんが日本の狙いを説明する。
「自分の石(手前の赤)から飛ばして、相手のナンバー2ストーンに当てて、ナンバー1ストーンまで動かせればいいですし、手前の黄色(ナンバー2)だけでもいいよという、弾くショットですね」
その言葉通り、吉田知那美は中央やや左のレーンからウェイトの乗った速い投球を見せた。しかし、この1投は、日本にとっては予想外のものだったようだ。前方で指示を出す藤澤がすぐさま察知していた。ハウス内、低い姿勢で石の軌道を見ていた藤澤が「ヤーーーップ!」と大絶叫したのだ。カーリングにおけるその言葉は、スイーパーに対して「掃け」を意味する。毎試合、毎エンドでその言葉は氷上を飛び交うものの、この時はいつものトーンより何倍も大きく、まさに叫ぶような藤澤の声が響き渡っていた。
「思ったより曲がっているということ」
