将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が12月8日、阪神甲子園球場で行われた「日本将棋連盟×阪神甲子園球場 100周年記念対局」のイベントに出演。将棋連盟会長でタイトル獲得数99期のレジェンド・羽生善治九段(54)と対局し、120手で黒星を喫した。
2024年にともに100周年を迎えた日本将棋連盟と阪神甲子園球場。記念の一日とあり、将棋界をけん引するスター棋士の藤井竜王・名人と羽生九段による特別対局が球場内ロイヤルスイートフロアにある「貴賓室」で実現した。
注目の一局は、先手の藤井竜王・名人が角換わりを志向。早繰り銀から急戦調の出だしとなった。タイトル戦でも激突した経験を持つ両者だが、普段とは異なる野球場を舞台にした一局。中盤戦での折衝で羽生九段が抜け出すと、駒得を活かして藤井竜王・名人を圧倒した。現代の絶対王者として将棋界の頂点に立つ藤井竜王は、端攻めから勝負。しかし、後手陣に据えた馬が攻防でパワーを発揮。緩急自在の指し回しを見せた羽生九段が押し切り、記念対局で白星を飾った。
終局後、三塁席の特設ステージに登場した藤井竜王・名人は「100年に一度の対局なので大変緊張した。積極的に指していったが、羽生九段にうまく切り返されてしまった」とコメント。一方、羽生九段は「こういう場所で対局できるのは滅多にないこと。こういった機会をすごく嬉しく思いますし、自分にとっても良い記念になった」と特別な一局を振り返った。
年間を通じてタイトル戦をこなす藤井竜王・名人は、現在、防衛4連覇を目指す竜王戦七番勝負で挑戦者・佐々木勇気八段(30)と激戦を繰り広げている。第5局を終えた時点で3勝2敗と防衛に“王手”をかけているものの、気の休まる間はない。次戦、第6局は11・12日に鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で開催。藤井竜王・名人が決着をつけるか、挑戦者が踏ん張りフルセットに持ち込むか。若き王者の戦いから目が離せない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)