【明治安田J1リーグ】サガン鳥栖 3-0 ジュビロ磐田(日本時間12月8日/駅前不動産スタジアム)
逆転残留の夢を打ち砕かれた瞬間だった。今節を前に18位のジュビロ磐田は試合序盤、16分にサガン鳥栖に先制点を献上してしまう。GK川島永嗣は、抜け出してきた鳥栖のFW富樫敬真との1対1を迎えたもののこれを防げず、意気消沈している様子だった。
磐田の守備が崩されたのは今季ラストマッチとなる第38節の16分のことだ。DFとMFのライン間で鳥栖のMF中原輝に前を向かれると、CBの間からFW富樫敬真にスルーパスに抜け出されてしまう。これに対し、守護神・川島は素早く間合いを詰めて、富樫が右足でボールを触る瞬間に身体を大きく広げる。しかし、シュートフェイントによって富樫にかわされてしまい、先制点を防ぐことができず。痛恨の先制を許してしまった。
立ち上がった川島は右手を挙げてオフサイドをアピールしたようだが判定が覆ることはなかった。鳥栖の選手が喜びを爆発させる中、背番号1は両手を叩きながら味方に激を飛ばしていたものの、その顔には浮かない表情が浮かんでいた。
解説・増川隆洋氏は「中原は前を向くことができて、落ち着いてスルーパスを出しましたし、富樫はしっかりとGKを見てかわした。完璧でしたね」と鳥栖のゴールを称賛した後、「ここで打ちたくなるんですけど、GKが倒れたところをしっかりと見ていましたよね」と、ストライカーとGKによる駆け引きを解説した。
さらに増川氏は実況・南鉄平氏に「磐田とすれば立ち上がりから悪かっただけに…」と言葉を投げかけられると、「守備で構えはじめたところだった。最初はボールを奪いに行く姿勢が見られたんですけど、少し構えたところで(鳥栖の)CBが顔を上げる時間をつくったことと、隙間を見えていなかったですね。フリーの選手が入ってきた時にコーチングされていなかったのかなと感じます。あそこでフリーでボールを持たれてしまうとああいうパスが出てくるので、DFラインとしては厳しい対応になるのは仕方なかった」と、現役時代にCBでプレーしていた選手ならではの目線で、崩れてしまった磐田の守備について言及した。
残留を懸けた一戦の立ち上がりに許した失点には、ファンもSNS上で反応。「まだ大丈夫」「時間あるよ。まずは追いついて逆転しよう」「最終節で一喜一憂してもしゃあない。ジュビロが2点以上を取って勝ちゃあいい」と後押しするようなコメントが相次いだ。
しかし、その後は30分と65分にも失点を重ねてしまい、3-0と敗戦。この結果を受けて、磐田はJリーグ歴代ワースト2位となる4度目のJ2降格が確定した。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)