【写真・画像】小池都知事が導入方針の「週休3日」は実際どうなの? 多忙な飲食業界での“パイオニア”に聞いた  1枚目
【映像】意外! 実は日本で「週休2日の会社」は半分?(グラフ)
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 小池都知事が口にした東京都職員の週休3日制導入。2025年度から週5日、毎日8時間の勤務を1日10時間ずつに調整するなどし、休みを週に1日多く取得できるようにするという。

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 茨城県や千葉県など一部自治体や大企業でも導入が広がっている中、ついに東京でも。

 週休3日制の実情はどうなっているのか? 『ABEMAヒルズ』は多忙な業界と捉えられがちな飲食業界において週休3日を導入しているスター食堂に話を聞いた。

なぜ忙しい飲食業で週休3日制を導入できたのか?

スター食堂 常務取締役の瀧上純さん
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 創業100年を迎えるスター食堂 常務取締役の瀧上純さんは「『飲食は大変だしやめておこう』『めちゃくちゃ働かないといけない』などの理由で『飲食は面白そうだけどやらない』という方が一定数いると思った」と話す。

 なぜ忙しい飲食業で週休3日制を導入できたのか?

 スター食堂では週休2日と3日の人が一緒に業務を行い、シフトを工夫して穴を埋めている。さらに、週休3日を望む人を多く確保できたため、人材不足は問題ないという。

人材が増えると気になるのは利益率だが「むしろ、メリハリを持って仕事に取り組む人が増えることで、生産性が上がっている」と瀧上さんは話す。

 都の構想と同じく1日の労働時間を長くして休みを多く取得することで生産性が向上している場面もあるという。

 週休2日の飲食店から週休3日の求人を見てスター食堂に転職した山崎暁美さんは「仕事をきちんとやってから帰る、その時間内に収めることが大切だ。働き方のメリハリがはっきりした」と語る。

 職場にいる時間が少なくなり、仕事への責任や時間管理を気にするようになったという。また当初は報連相などに課題もあったが、共有ツールなどを駆使して対応しているという。

 休日が増えたことで山崎さんは以前から興味があった子ども食堂などにも関わっている。仕掛け人の瀧上さんは週休3日を通して、人生の充実と共に働く喜びを感じてほしいという。

「ありがとうと言われたり、美味しい、楽しいという言葉をいただけるのは生きている上で大事だ。週休3日が広がることで、そうした言葉をもらえる人が増えたらいい」

週休3日制のメリット・デメリット

勤め先の休みは?
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 多忙なイメージのある飲食業界での週休3日制についてSchooエバンジェリスト滝川麻衣子氏は「実は日本では『週休2日さえもまだ半分ぐらいしか浸透してない』というデータもあり、特に飲食業界は進んでいない」としつつ、「(だからこそ)スター食堂の週休3日制は採用力強化や離職防止にもつながるだろう」と述べた。

 さらに東京都庁における週休3日制導入については「そもそも、2030年の時点での日本の人手不足がより顕在化すると言われているため、まずは抜本的に生産性を上げる必要がある」としつつ、「運送や介護医療などのエッセンシャルワーカーの人たちではなくオフィスワーカーを前提にしているのでは」と疑問を呈した。

 株式会社キュービック(ミライトーチ調べ)によると週休3日のメリットとして「プライベートに使える時間が増えた」「心身ともにストレスが減った」などが挙げられているという。

 これに対し滝川氏は「ストレスの軽減は一番大きな要素だ。また、週末になかなかできない行政手続きを行なったり、リスキリングによる“未来への投資”もできる」と補足した。

 同調査によると、週休3日制を実施する上での課題としては「出勤日の仕事が詰まってしまって余裕がなくなった」「給料が減った」「残業が増えた」などが挙げられている。

 滝川氏は「人手不足の問題はもちろんあるが、加えて『属人化問題』もある。つまり、“優秀なAさん”がいなければ仕事が進められない、という問題だ。だが、そもそも自分の仕事を手放さないAさんは優秀ではない。本来であれば、みんなが見える場所にデータを共有し、マニュアルを作り『自分がいなくても回せる人』こそが優秀なのだ。そしてそんなルール作りは管理職の仕事だ」と述べた。

 さらに、働きやすくなった職場では“ある問題”も起きている。

 滝川氏によると、今「会社が“ホワイト過ぎ”て働きがいも成長実感も得られない」と、会社では体力を“温存”しながら給料を確保しつつ、定時で上がった後に副業に全力を注ぐ若者も増えているという。

 週休3日になったことでの収入の変化に関する調査では、「副業など社外の収入によって上がった」と答えた人たちも一定数いる。

どうすれば社員は“100の力”を仕事に向ける?

週休3日になったことでの収入の変化
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 経営者側からすると頭を抱えてしまいそうだが、どうすれば社員は全てのエネルギーを仕事に向けてくれるのだろうか?

 滝川氏は「本業にやりがい・成長実感を持たせられるような仕組み作り、そして先輩・上司の育成が求められる」と指摘した。
(『ABEMAヒルズ』より)
 

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