将棋の藤井聡太竜王（名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22）に佐々木勇気八段（30）が挑む第37期竜王戦七番勝負が12月11日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で第6局の対局を開始した。シリーズは藤井竜王の3勝2敗。防衛達成か、挑戦者が踏ん張りフルセットに持ち込むか。本局の先手は佐々木八段。
若き王者の防衛4連覇か、挑戦者のタイトル奪取か。注目のシリーズはそれぞれが先手番で白星を飾り、激しいシーソーゲームが繰り広げられている。11月27・28日に和歌山市で行われた第5局は、後手番の佐々木八段が雁木を採用。中盤に藤井竜王が抜け出すと、佐々木八段の攻め、藤井竜王は受けの構図となった。劣勢となった佐々木八段は決死の踏み込みを見せるも、藤井竜王は後手の侵攻をあえて引き付ける高度な受けのテクニックを披露。着実にリードを拡大させ、“藤井曲線”を描く快勝となった。
第5局の結果により、七番勝負は藤井竜王が3勝2敗で防衛に“王手”。本局に勝利した場合、防衛4連覇が決まる。しかし、これまでも先手番の2局で絶対王者・藤井竜王を圧倒してきた佐々木八段はここが踏ん張りどころだ。後がなくなった挑戦者は、この大一番にどのような作戦をぶつけるのか。挑戦者が勝利した場合、勝負は第7局へ。藤井竜王は過去13回臨んだ七番勝負においてはフルセットの経験はなく、すべて第6局までに決着を付けている。見どころの多い一局から目が離せない。
本局の舞台は、薩摩半島の南端に位置する指宿市。対局場は鹿児島湾を一望できる「指宿白水館」に設けられる。2017年の竜王戦七番勝負では羽生善治九段が竜王位を奪還し永世竜王の資格を獲得、「永世七冠」を達成した地としてもファンの心に刻まれている。また、今月4日には指宿市の名物・砂むし風呂をこよなく愛する挑戦者の佐々木八段が「指宿観光大使」に就任したことでも話題に。“第2のホーム”ともいえるこの地で白星を飾ることができるかにも注目したい。
持ち時間は各8時間の2日制。本局の先手番は佐々木八段。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
