■中学受験に見る分断・格差とは
作家でジャーナリストの佐々木俊尚氏は、「1970年代までの“総中流社会”が崩壊して、社会の階層化が進み、上下の分断が進んだ結果だ」と考察する。「お金持ちの経営者は、金を教育に使っている。年収数千万円あっても、意外と地味な暮らしをしていて、小中高一貫の海外の学校に通わせるなどに投資する」。
このような富裕層の価値観には「日本が沈没しつつある」という危機感があり、「『東大を出ても給料の安い官僚ぐらいにしかなれない。それならハーバードやアイビーリーグに行かせた方がいい』という発想だ」と説明する。
しかし、年収1000〜2000万円の世帯も、同様の道を志向する現状がある。「『こっちを目指さなきゃ』と引っ張られることで、無理にお金をかけて中学受験させなくてはならず、亀裂が生じている」。
その反対に、佐々木氏が毎月訪れている福井県では、「そもそも私立中学さえ、ほとんど存在しない。公立で高校まで行く、昔通りの暮らしをしていると、中学受験の発想は1ミリもない」と地域差を紹介。「問題は年収1000〜2000万円の人々がどうするかだ」とまとめた。
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