■AI時代に学歴、意味ある?少子化で“名門大学”に希望者が全員合格の未来も

 成田氏は、今後のAI時代では「より自己のアイデンティティーが競争優位につながる」と予測する。「知識の生かし方や、信念・価値観が最重要だ。そのためには、いろいろとやらせるしかない。延々とクイズのような勉強をやることに価値があるのか」。

 大切なのは、「どこで努力するか」だとして、「僕は14歳までは能天気で、やる気もなかった。中学受験で敗北感を味わい、第3志望にも落ちて、塾の先生から『これくらいの学校しか行けない』と笑われていた。そこから乗り越えて培った」と振り返った。

 これに佐々木氏は「成田さんは地頭がいい」と返す。「地頭と学歴は、微妙に異なる。堀江貴文氏が典型だが、優秀な高校を出て、東大を中退した。優秀な起業家ほど、地頭で良い高校へ行っても、学歴に興味がなくて、たいして大学へは行かない人が多い」。

 しかしながら、「一般人は地頭が良くない代わりに、学歴でカバーしようと思う。必死でのし上がろうとするのが、中学受験につながっているのでは」と分析する。「『公立校に通うと、自分も沈没してしまう』と危機感を持つ親が結構いる。子どもを地元コミュニティーから剥がして、アッパー層に入れたい強い欲求から、中学受験に挑む。価値観が明確でないなかで、ある種の幻想の中で生きている」。

 成田氏は「年間の出生数は60万人程度だが、慶應や関関同立など比較的優秀な大学を合わせた学生数は20万人前後だ。半数が大学生になると考えると、現時点でも30万人のうち20万人が、これらの大学に入れる」と説明する。

 このように、従来に比べて「大学の難易度が劇的に下がっている」現状があり、「各大学がマンモス校化するなか、30万人全員がそういう大学に入れるようになる」と予測する。「大学の価値が相対的に落ちたとき、重要なのは何か。それは『あなたが誰か』や『何してきたか』だろう」。
(『ABEMA Prime』より)

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