■主婦・主夫が優遇されすぎ?「第3号被保険者制度」

見直し持ち越しに不満の声も
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 「第3号被保険者制度」とは、年収130万円未満の会社員の配偶者などが、年金・保険料の負担なく基礎年金を受け取れる制度を指す。国民年金(基礎年金)は日本在住の20〜59歳が加入するが、自営業・学生などの「1号」は1405万人(以下、人数は2022年度末)、会社員・公務員などの「2号」は4618万人、会社員などに扶養される配偶者の「3号」は721万人(女性709万人、男性12万人)となっている。なお、2号被保険者には「2階」部分として厚生年金もある。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、「世帯年収800万円の専業主婦は年金がもらえて、働きながら子育てをする一馬力のシングルマザーはもらえない。これは明らかな差別ではないか」と語る。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏は、「働けない人もいれば、“専業主夫”もいる。夫が会社でうつになり、妻の3号被保険者になる家庭もある。ケアする方法は千差万別だ」と説明し、「個々にケアするシステムがないままに、3号を廃止すると、困っている人をますます困らせることになる」と指摘する。「困っている、困っていない。子育てしている、していないの線引きができない現状では、ちゃんとしたシステムができるまでは残しておくべきだ」。

 政治学者の岩田温氏は、「専業主婦はお金にならず、価値がない」といった意見に強く反論し、「多様性の時代では、『自分で育てたい』という人に向き合ったシステム構築が必要だ。『専業主夫は働いてない』という偏見がある」と問題点を指摘した。

 時代に合わせた年金制度の議論の重要性に触れつつ、「労働力が減っているのは事実だ。生産人口が減少する中で、移民が入ると問題が起きるとなった時に、女性の社会進出はやむを得ない。人口が右肩上がりに増える時代に作ったシステムを維持し続けることには矛盾がある」とした。

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