■エントリーメールに「ぜひしごいてください」

社員の声
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 書類を出し、面接を受け、採用されて入社してみたところ、イメージと異なりすぐに退社する若者もいる中、グローバルパートナーズでは、そんなミスマッチは少ないという。山本氏の言動から予定まで、さらに社内の雰囲気までネットを通じて“丸出し”にしている分、ギャップが生じにくいからだ。「採用はYouTubeで面接し、録画したものをアップする。会社案内でも、TikTokで社内の日常を、僕の許可なく社員がどんどん上げている。飲み会でも僕がテキーラを飲むところを出している。エントリーメールに『ゾス!』って書いてあるし『ぜひしごいてください』と。学歴はMARCH以上や慶應もいるしバラバラ。中卒もいる。あと8割以上がバイリンガルで、社員も役員も半分は女性だ」。もちろん全員がフィットするわけでもないが「あまりやる気がない人、落ち込んでしまう人は来なくていいし、そういう人たちはホワイトな会社に行けばいいと思う」と割り切っている。それでも、これまでに訴えられたことなどはないという。

 大企業になるほど、ハラスメントやコンプライアンスの意識、周囲からの視線も厳しくなるが、山本氏が危惧するのは、これから成長していこうと大企業以上に活力が求められるベンチャー企業にまで、その“圧力”がかかっていることだ。「僕が問題だと思っているのは、ベンチャー企業が大きな流れ、同調圧力みたいなものに乗って、どんどんホワイトにしている。あれが気持ち悪い。やる気があって、寝る間も惜しんで稼ぎたい、業界を変えたい、大企業を抜きたいという人たちはいっぱいいるが、そこにまで過度にハラスメント禁止とかホワイトになれという圧力が来ている。それでは日本の新陳代謝が起きない。僕ら中小企業、ベンチャーは、そんなのに合わせていたら絶対儲からない。そう思って、ありのままをやっていたら、それを見たベンチャーたちが気づいたし、大企業の中でもちょっと揺り戻さなきゃとなってきた。企業は上場したらディスクロージャーで財務も開示するが、カルチャーも出すべきだと思う。株主のために寝ないで働いている、気合いを入れて働いていると出したら株価は上がる。上場したらお上品じゃなきゃいけないというのは、まやかしだ」。

 この一貫した姿勢に、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は「『隠すことがない』というのが結構大事。最近のホワイト企業では、勤務時間でいろいろやらされているけど、これに何の意味があるのか、やっていることが本当に役に立っているのか、自分自身の能力が本当に上がっていて正しいのか、わからなくなっている。この案件はお前が取って利益がいくらだとか、俺のおかげで100万円儲かったから、もっと給料をもらっていいとか自分の成果が見えて周りにも評価されるという関係の方が生活しやすい人もいる。この時代だからこそだ」と語った。

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