■八田容疑者と留置所で過ごした男性の証言

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 実は、ひき逃げ事件の前に逮捕歴があり、執行猶予付きの有罪判決を受けていた。つまり、ひき逃げ事件は執行猶予中に起こされたものだった。

 留置所で過ごした男性によると、八田容疑者は誰にも見られないのに爪のケアをしたり、美意識が高く、男性の化粧にも興味があり、整形経験を明かしてきたこともあったそうだ。 

 生活を続ける上で、男性が感じたのは、「ケチ」だということ。留置場内は1週間で上限2000円まで、菓子や生活用品などを購入できる。入所前に財布をなくし無一文だった男性は、何も購入することができなかったが、周囲はお菓子をくれるなどの手助けをしてくれた。しかし八田容疑者は1つもくれなかったという。

 男性と八田容疑者の隣の部屋には、窃盗で逮捕された20代男性が、ひとりで入っていた。その20代男性は、反社会的勢力に属する人物と思われ、裏社会に精通し法や制度の知識を持っていたそうだ。

 ある時、八田容疑者が「生活保護を受ければ働かなくていいと聞いた」と話しかけると、20代男性は「最低限のお金はもらえるし、やり方によっては、ある程度の生活ができる」と返した。生活保護の細かいやり方や制度の話を教わっていたのだ。

 また、「人ともめた時の対処法」も聞いていた。八田容疑者が「人ともめてムカついて攻撃したい時」について聞くと、20代男性は拉致を提案した。「車を横付けして、相手を乗せて、ボコボコにして、傷が消えるまで監禁しておけばいい」「シャブ打って、山にでも捨てる。仮に通報されても、薬物中毒患者のざれ言になる」といった趣旨の話をしていたという。

 その会話の中で、一番手っ取り早い方法として紹介されたのが、「車でひいたらいい」。事故扱いになるため、仮に捕まっても、暴行や傷害には問われないと説明。八田容疑者は「その手があったか」と納得していたという。留置場での会話の影響があったかは不明ながら、約1年後にひき逃げ事件が発生した。

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