全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」がきょう1月11日午後5時から放送を開始する。地域活性化を掲げ日本将棋連盟100周年の2024年にスタートした本企画は、昨年の盛り上がりをさらに全国的に広げるために2期目が開催されることになった。関東A(茨城・栃木・群馬・千葉・埼玉)を率いる羽生善治九段(54)は、「皆さんにより深く、それぞれのチームを知ってもらって応援してもらえる形を作りたい」と意気込みを語る。日本将棋連盟会長が描く2期目の狙いはいかに。
藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)の大活躍により、見事“初代最強地域”の座についたチーム中部。出場登録棋士はもちろん、地域棋士の活動やファンの熱烈応援のコンビネーションも光っていた。そんな初回大会について、羽生九段は「希望と不安の両方があったんですけれども、無事に盛況に終わって非常に良かった。棋士にもそれぞれ“地元”があるので、それを目に見える形で表せたというのが非常に良かったんじゃないかと思いますし、参加している棋士にとってもすごく大きな励みにもなったんじゃないかなと思います」と手ごたえを感じた様子だ。
2期目となる今大会では、さらにファンに楽しんでもらうためにルール面のテコ入れを敢行。ステージ1では、監督を含む出場登録棋士全員が対局を行うこととなったが、「このルールの方がすごくいい気がします」と満足気だ。「最低でも一局は指して、さらに団体戦でもあるのでチームとしての力も問われる。2回目のルールは非常に良い形になったんじゃないかなと思います」。全8地域のチームがどのような作戦を立ててくるかにも期待が高まる。
羽生九段は、今回も出身地の埼玉県を含む関東Aの監督を務める。前回大会では、全11局を指し9勝2敗とプレーヤーとしても大活躍を見せていた。前回大会では、準決勝でチーム中部に敗れベスト4の結果に。ルール変更を経て臨む今期の大会では、更なる上位進出が叶うのかにも注目したい。
5県で構成されるチーム関東Aには、24名の棋士が所属。同世代では、群馬県出身で竜王3期の藤井猛九段(54)、千葉県出身で2024年の第2回達人戦立川立飛杯と第32期銀河戦覇者となった丸山忠久九段(54)、また前期の竜王戦挑戦者として大躍進を遂げた埼玉県出身の佐々木勇気八段(30)ら、どこを見渡しても有力棋士がずらりと並ぶ。前期は千葉県出身の木村一基九段、近藤誠也七段、石井健太郎六段と佐々木八段を出場登録棋士に選んでいた羽生監督だったが、「実はメンバーは変えるつもりです」と前期から大幅な変更を明言。「前回選ばなかった人たちも。ただ、このルールは“慣れ”が明らかにあるので、そこは非常に重要視しています」とフィッシャールール経験者が選ばれることとなりそうだ。
将棋連盟は100周年から、新たな一年がスタート。羽生九段が掲げる地域活性化は、加速度的に勢いを増す。「今回は地域チームとして馴染んで、ファンの皆さんにより深くそれぞれのチームを知ってもらいたい」。会長として、地域監督として強い気持ちを持って取り組む2期目の地域対抗戦。チーム関東Aを最強地域の座へ、羽生監督が走り出す。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




