■平時に考える感染症対策
感染対策における平時の備えとして、古瀬氏は「感染症に対する医療提供体制のキャパ不足」「病床を柔軟に確保し運用する仕組みを確保」「医療従事者の負担軽減の配慮(労働時間など)」「専門家の育成」「サーベイランスの強化」を求める。
入院時の病床確保は、大きな課題となる。「今の新型コロナや、インフルエンザ、メタニューモの患者には特別な病床は用意しないが、臓器移植を受けたばかりで、免疫を抑制している人の隣に、入院させるわけにはいかない。病床の調整が必要だが、柔軟にできておらず、その仕組みを考える必要がある」。
コロナ禍を経て、水際対策に変化はあったのか。「現状では仕組みがなく、メタニューモも条件下にないが、今後はウイルスの水際対策が必要になる可能性がある」。コロナで「水際対策をしても、100%はシャットアウトできない」と学んだ一方で、それでも必要となる可能性として、“H5インフルエンザ”の存在を紹介する。「まだ人から人にうつらない病気だが、かかると多分10%以上の人が死ぬ。ワクチンは技術的に3カ月で作れると考えられ、その時間稼ぎのために、水際対策をすることがあるかもしれない」。
感染防止には、人それぞれの心掛けも重要となる。「できる人がやっていくことが大事で、できない人や、強い信念がある人に対して、強く責めることはできない。そこでケンカしてもしょうがない。できる人がやり続けることで、周囲がちょっとずつ変わればいい」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
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