山崎隆之八段
【映像】戦略を語る山崎隆之八段

 日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」の監督会議が1月11日に放送され、中国・四国の山崎隆之監督(43)は、糸谷哲郎八段(36)、菅井竜也八段(32)、藤本渚五段(19)、狩山幹生五段(23)の4人を出場登録棋士とした。振り飛車党のエース・菅井八段を軸に、剛腕・糸谷八段と、妖刀を使う自身、さらに若手2人というバラエティに富んだ5人で戦うが、ルール変更により全員が1度は戦うだけに「早めにエースを出すかは駆け引き」と、監督として今から熟考中だ。

【映像】戦略を語る山崎隆之八段

 昨年からのメンバー変更は、黒田尭之五段(28)と狩山五段の入れ替えのみ。フィッシャールールでも切れ味抜群の菅井八段が、トータル8勝を挙げる活躍を見せると、チームもあと1勝で決勝進出という、ベスト4にまで食い込んだ。「菅井八段は中国・四国の大エース。目をつぶっても、誰が監督になっても選ばれる」と、山崎八段も絶大な信頼を置く。その分、昨年は菅井八段に頼ることが多かったため、棋士による出場機会にも偏りが出た。「この試合のために調整して仕上げてくれる人もいて、出たいという棋士も多かった」。監督としては、意気込みを汲みたいが、ルールの壁に悩むことに。ただ今年は「ステージ1」では、監督を含めた5人の棋士が1局ずつ、順番に指すことになり、必ず出番が与えられることになり、出場機会のないストレスからは解放された。

 反面、戦略としては頭をひねることになる。相手のエースが出てきそうなところにこちらもエースを当てるか、それとも回避して確実に勝利を狙いに行くか。とにかくエースを「ステージ1」では勝ち残らせ、最悪1人だけ残っても「ステージ2」で大逆転にかける、という考え方もある。山崎八段は「今回はわからない。早めにエースを出して、ちょっとリードしておくと考えるし、監督がどこで出てくるかも駆け引きの一つですね」。とにかく強い棋士を前に2人並べておけばよかった前回とは異なるだけに、まさに監督の腕の見せ所だ。「自然と『上を目指して戦うぞ!挑戦するぞ!』というメンバーが揃っていますので、チャレンジャー的な精神で戦って、中国・四国地方の勢いを見せられるようなチームにしていきたいなと思っております」。昨年以上に一丸となった時、個性派集団の力は2倍にも3倍にもなる。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
 

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