ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「日本で結構、韓国の民主主義が素晴らしいと言っている人がいる。非常戒厳を大統領が出して、議員たちが一生懸命と留めた姿、現職の大統領でさえも逮捕するところに、民主主義が見えるのは振り幅が大きい。日本は振れ幅が少ない国で、劇的な感動が起きない。じわじわと少しずつ改善とメンテナンスが中心の国。そういう国から見ると、あんなに劇的にバーンと動くのはすごい。ドラスティックとかダイナミックに動いている感じがするのは、感情に訴えるところはある」と解説した。その上で「激しく振れると、内政だけならいいが外交にまで影響してしまい、前政権で起きた外交の取り決めは継続性がなくなる。ひっくり返すみたいなことが平気で起きているので、あまりやっていると国の信用をなくす」とも語った。
今後の流れについて、鈴木氏は「尹大統領は何はともあれ大統領」と述べた上で、「今、職務停止にはなっているが、場合によってはその憲法裁判所で弾劾が認められないというケース、可能性もある。そう考えると1回逮捕をしたということは、要するに弾劾がうまくいかなくても、内乱罪で逮捕して有罪にするという、2段構えの話になってしまい、韓国政治がもっと複雑になる。大統領は復権しているのに逮捕されている状態になると、 では誰がこの国の中心を担うのかという空白が生まれ、より混乱を増していく可能性がある」と、この状態が長期化した際の不安点を挙げていた。
(『ABEMA Prime』より)
