■フードデリバリーサービスに頭打ち感
Uber Eats Japan合同会社という日本企業はあれど、配達員の報酬などのアルゴリズムは全て米国本社で決められるという。出前・宅配コンサルタントの牧泰嗣氏は「報酬の計算方法は完全なブラックボックス。忙しい時間帯や雨の時は報酬が高く、配達員が余っている時は安い。日本からはリクエストを出すくらいしかできない」と語った。その上で、国内では出前館、Wolt、menuという同業他社もいるが、フードデリバリーの国内市場規模(サカーナ・ジャパン調べ)は2023年度が過去最高の8622億円だったが、2024年度の見込みはここから7.8%減の7967億円。頭打ち感があるという指摘に「フードデリバリー事態は、もうこのあたりが山かなと見ている。コロナも終わり、なかなかここから伸ばすのは難しい」と分析した。
Uber Eatsは利用者確保の策として定額利用、月額498円の「Uber One」も導入したが、これには懐疑的な意見も多い。ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「あれで客単価が結果的に下がってしまい、配達員の報酬減額に繋がっているという指摘もある。どう考えても失敗ではないか。月500円ぐらいで、安いものでも頼めるとなると、利用者側から見ればお得なのでどんどん入るし、プラットフォームとしてはその市場を独占できる。一気に客を増やしてから値上げするということはあり、その方向性はAmazonと同じ。ただ、そこに行く途中で配達員の脱落が起きるというのは、予測しきれなかったのではないか」。また、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏も「Amazonで注文するものは毎日買うものではないが、食べ物は毎日。だから定額使い放題みたいにしてしまうと、結局使い倒す人がとんでもない量を使う。Uber Eatsの計算ミスだったのではないか」と語った。
今後、フードデリバリーサービスが頭打ち感から抜け出すにはどうすればいいか。ひろゆき氏は「フードデリバリーに需要があって配達員がいないのなら、フードデリバリー代を高くしても頼む人がいて、配達員にも高く出せばうまく回る感じがする」と指摘すると、牧氏も同調。「1998年からデリバリーに関わっているが、デリバリーで注文する人は、値上げしてもあまり影響がない。急に30%、40%の値上げはダメだが、10%ぐらいであれば利便性を優先する。あまり価格を見ていない客もたくさんいるので、私の経験からして、全体的にもう少しデリバリーの値段を上げてもいいのにと思っている」。なお、Uber Eatsの場合は、飲食店から配送代として商品単価の35%、客からは12%のサービス手数料を得る。仮に2000円のものを注文する場合、客は2240円を払い、飲食店に1300円、Uber Eatsには940円が入る仕組みになっているが、サービス手数料を15%、20%と上げても事業が成立するか注目だ。
(『ABEMA Prime』より)


