■専門家「登場人物みんなが正しい行動をしているが…」 ギスギスしないためには

 ヤマトパンクスの事例について、佐藤氏は「困った子どもが大人に助けを求め、大人は対応しようとする。怪しいと警戒した第三者は、様子を見る。はじめのほうは登場人物みんなが正しい行動をしている」と指摘。一方で、その後の対応を問題視し、「見ていた女性や駅員に助けを求めて、1人では対応しないこと。電車で2駅移動したのも、日本不審者情報センターの“連れ去り”のカテゴリーに当てはまる可能性が高い」と話す。

様々な注意情報(1月21日の一部情報)
拡大する

 同センターでは、全国の警察や行政からの不審者情報を集約・発信している。1月21日は、兵庫県加古川市(つきまとい)、兵庫県伊丹市(暴行)、長崎県諫早市(声かけ)、岐阜県垂井町(暴言)、仙台市泉区(睨みつけ)、北海道小樽市(盗撮)などの注意情報が寄せられた。

 佐藤氏によると、不審者情報は「増えている」のが実感で、背景として「子どもが被害にあう事件が続くと、警戒して情報がどんどん出てくる。その後、高止まりになる状況が続いたこともある」と話す。

 長崎県警によると、1月20日15時ごろ、諫早市久山町の路上で男子児童への声かけが発生した。実行者の特徴は、男性、50歳位、白色ジャンパー、白色キャップ帽風、黒色自転車で、自転車に乗り下校途中の男児に「僕ちゃんかわいいね」と声をかけたという。

 子どもに声をかけるだけで、不審者として扱われる時代なのか。「『知らない人に声をかけられたら、親や学校に伝えよう』といった教育が進んでいる。近所の人だとわかれば別だが、知らない人なら不審者かどうかに関わらず伝える」との認識を示す。

 不審者情報でギスギスしないために、佐藤氏は情報発信の“その後”が重要だとして、「解決情報の発信」とともに、時には「善行情報」の発信もありだと主張する。「不審者事案の発生情報は出るが、解決情報で『事案ではなく善意の声かけだった』といった発表は少ない。警察が一生懸命捜査して、わかった結果を出しているのかもしれないが、もう少し名誉回復にあたる情報もあったほうがいい」とした。(『ABEMA Prime』より)

この記事の画像一覧
【映像】「今日も抜かされた。エレベーターほんと嫌い」 車いすギャルの投稿が議論に
【映像】「今日も抜かされた。エレベーターほんと嫌い」 車いすギャルの投稿が議論に
【映像】「女性にAEDを使わないで」男性が恐れる“社会的制裁”
【映像】「女性にAEDを使わないで」男性が恐れる“社会的制裁”
【映像】夫の弁当「作り置き」で炎上…本人よくてもなぜ批判? 実際の投稿
【映像】夫の弁当「作り置き」で炎上…本人よくてもなぜ批判? 実際の投稿
この記事の写真をみる(4枚)