■都心のど真ん中にもあるゴーストタウン
「人が集まる」という意味では、都心部はゴーストタウン化とは無縁かと思われるが、決してそうではない。東京のど真ん中でも起きている。牧野氏は「汐留エリア」「湾岸タワマン・晴海フラッグ」「代官山・自由が丘」の3例を挙げた。まずは汐留エリアだ。「汐留には『カレッタ汐留』という有名な商業棟がある。ここを覗くと完全に地方で言うシャッター通り商店街になっている。働いている人が少なくなったというよりも、働いている人がランチタイムになると、今まではカレッタに食事に行っていたのに、最近の人は自分のお弁当などでいいという。上司が部下4、5人を連れてランチを食べに行くような習慣がなくなった」とライフスタイルの変化が見て取れる。「カレッタ汐留のみならず、都内の大きなビルの地下にはだいたい飲食店があるが、空き店舗だらけになっている」。
湾岸のタワマン・晴海フラッグは、また別の理由だ。「ここは夜になると電気がついていないと言われるようになった。実際に住んでいる人が買っているのではなく、投資をして人に貸さず、3年以内に売ってしまう人が続出している。実際に住宅として使われているわけではない」。そして代官山・自由が丘は「ファッションのセレクトショップが集まるハイセンスな街というイメージが非常に強いが今、代官山の駅前は空き店舗だらけ。セレクトショップが全部撤退している。ファッションのあり方が変わって、ファストファッションで全然構わないし、セレクトショップで高い物を買って少し背伸びする若い女性が減った。今までのブランド支持者も高齢化した。また、都内のマンション価格が非常に上がり、自由が丘や代官山の土地の値段も上がると、普通のセレクトショップでは家賃が払えない。とてもじゃないが商売できないと逃げてしまった」。
■ゴーストタウン化、止める策は?
