■分担金と拠出金はどう決まる?
2024年から2025年にかけて、WHOへの資金提供額の上位5カ国を見ると、アメリカがGDPに応じた分担金が2億6063万ドル、任意の拠出金などが6億9789万ドル、中国が1億7517万ドルと2810万ドル、日本が9225万ドルと5872万ドル、ドイツが7018万ドルと2億5461万ドル、イギリスが5024万ドルと1億9003万ドルとなっている。なお各国の提供額合計は、65億5289.9万ドルだ。
分担金と拠出金は、どのようにして額が決まるのか。阿部氏は「分担金は、GDPに応じて経済が大きな順に決められている。国連組織すべてにおいて、加盟しているうちは払わなくてはならない。拠出金は、各国が『どれだけ払いたいか』の意思に任されている」と説明。
国際機関には「主権国家の外交や国益のためのツール」としての役割があり、「WHOには、栄養や高齢化といった“平時系”と、紛争などの“危機系”の側面がある。紛争対応の道具として使えるため、お金を多くつぎ込むメリットはある」と解説する。
これまでは「“アメリカ”として入れない所に入れる有効なツール」として、WHOが機能していたという。「2024年8月にポリオが発生したため、イスラエルとパレスチナが戦闘を中止した。その時にアメリカは入れないが、WHOを使えば入れる。代替ツールになるのが、一番のメリットだ」と述べた。
■「日本にとってチャンス」
