冒頭で触れた「国際移民day」は、移民の権利保護を目的とし、国連が制定した記念日。不法移民対策を重要政策のひとつに掲げるトランプ大統領の就任前、2024年12月18日の「国際移民day」は、渡米を願う移民たちにとって特別な1日だった。この日、プジョルジョDは多くの不法移民が集まるメキシコ側の国境の街、シウダ・フアレスへ。「トランプの壁 突破デスロード 不法移民編」と題し、国境が開かれるかもしれないという噂に望みを託し、行動を起こした移民たちに密着した。

【写真・画像】「子どもがいるんだぞ!お前らは人間じゃない!」移民たちにガス弾攻撃…不法入国を試みる緊迫の瞬間に密着「人生最悪の瞬間だ」 1枚目
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 移民たちが一斉に動き出したのは、18日午前2時頃のことだった。ホテルから出てきた人々は、どこかへ一目散に走っていく。プジョルジョDも慌てて後をついて行くと、彼らは警備が甘いという噂の「36番ルート」へ向かっていることがわかった。そんななかプジョルジョDは、国境検問前での取材中に出会ったペレス家族と、偶然遭遇。国境のフェンスへ向かって歩いていく一家に、プジョルジョDは「身を低くして!」などと声をかけながら、心配そうに見守った。

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 しかし一家は、フェンスの少し手前まで来ると左折し、林の中へ。プジョルジョDも現地ガイドとともに、現場へ向かった。すると移民たちの集団から「救世主よ」と拍手が起こり、一斉にダッシュ。どこを目指しているのかわからぬまま、プジョルジョDも慌てて後を追う。すると、たどり着いた先には草むらが広がり、ここが「36番ルート」と呼ばれていることが判明した。「36番ルート」は草むらが途切れており、国境のフェンスに近づきやすいそうだ。

氷点下の川に入り警備に懇願「お願いです。受け入れてください」
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