そんな極寒の川を渡り、アメリカ入国を目指す移民たちの多くは家族連れ。ある男性は「子どもには辛い経験だけど、親は子どものために挑戦している」と話し、泣きながら親に抱きつく幼い女の子の姿もあった。そして時刻は午前4時半に。移民たちは公式的に受け入れられると信じて抗議を続けるも、警備員は彼らを眺めているだけ。午前6時半になっても状況は変わらなかった。

【写真・画像】「子どもがいるんだぞ!お前らは人間じゃない!」移民たちにガス弾攻撃…不法入国を試みる緊迫の瞬間に密着「人生最悪の瞬間だ」 5枚目
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 事態が動いたのは、その直後のことだった。1人の移民が持ってきたのは、フェンスを切るためのペンチ。交渉をあきらめ、不法入国する作戦に変更したようだ。移民に話を聞いたところ、不法にアメリカへ渡っても、すぐに強制送還されることはないという。まずは事情聴取が行われ、その際に条件を満たしていれば、アメリカに長期滞在が可能な亡命資格を得ることができるのだそうだ。

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 違法でアメリカに渡り、亡命審査の可能性にかけた移民たち。しかし、国境警察はそんな移民たちに、ガス弾を放った。その場には「何するんだ!」「子どもがいるんだぞ!」「お前らは人間じゃない」「ひどすぎる」と抗議する声が次々と上がり、咳き込む人々が続出。移民たちは凍えながら渡った川を、再び引き返して行った。ペレス家最年長のガブリエルさん(34歳)は「子どもたちの顔にガスを投げつけられた」と怒りをあらわにし、さらに「人生で最悪の瞬間」と嘆いた。

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何かかけろ!死んじゃうぞ」低体温症で倒れる男性
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