騒動の発端は2023年11月、住宅に投函された「住宅宿泊事業の届出に関するお知らせ」の通告書だった。北区に申請を出し、民泊を開業するという突然の通告に、住民は「普通のアパートが建つと言って、『ハンコを押してください』と言われた。そうしたらあんなことになった」と振り返る。
近隣住民によると、2023年夏頃、賃貸アパートを新築すると説明を受けていた。ところが約半年後、突如「民泊の届出」をチラシで通告される。当初の業者とは別の業者が物件を買い取り、住民らの知らぬ所で、宿泊施設としての営業許可を取得していた。
驚いた住民は、管理会社に説明を求めた。その時の会話で、管理会社は「うちは(建物を)買った」と語り、「建てた人間は来てないんだ?」と聞く住民に対して、「関係ないと言ったらおかしいが……」などと返答。別の日の説明会では、防音対策について「基本的には(スーツケースが)キャスター付きとはいえ、建物に入るまではもう担いでもらうしかない。それを徹底する」としていた。
両者の議論は平行線のまま、北区は管理会社の届出を受理し、2024年7月に民泊の営業が始まった。実際にはガラガラ音を立てて、チェックイン締切の22時を過ぎて到着する客も続出した。
許認可をした北区保健所は「『旅館業法』に基づき、申請内容を審査した結果、規定されている不許可とする要件に該当しなかったため、許可を出した」と説明する。
旅館業法が定める「民泊許可」の主な審査基準として、「施設の構造や設備が政令で定める基準を満たしている」「施設の設置場所が公衆衛生上、問題がない」「おおむね100m圏内に小学校や公園などがない」「申請者に逮捕歴や薬物使用歴などがない」などがある。また、コロナ禍で減少傾向だった「民泊」の数は、インバウンドの盛り上がりに伴い、再び上昇傾向だという。
法律的に問題は?
