■“好きに働く”隠居「100%好きなことだから仕事か遊んでいるのかわからない」
働き続ける選択を取る人もいる。大杉潤さん(66)は、現みずほ銀行勤務から、旧新銀行東京の立ち上げなどを歴任し、57歳で起業。経営コンサル・企業研修講師として働いている。1日のスケジュールは、5時に起床・読書・SNS投稿、7時に朝食、8時に体操・ウォーキング、9時に仕事(資料作成・打合せ)。11時の昼食・ネットニュースチェックを挟んで、13時からの仕事(オンライン企業研修)を終えると、16時に読書、18時に夕食、19時に入浴・体操、20時に読書といった自由時間になり、22時に就寝する。
大杉さんが“生涯現役”を目指す理由は、50代で「老後の三大不安」である金銭と孤独、健康について考えたことにある。「3つをいっぺんに解決するには、ずっと働き続ければいい。1日3時間程度、オンライン企業研修で365日働いているが、あとは自由時間だ」。
働き続ける理由は「100%好きなことだから、仕事か遊んでいるのかわからない」からだそうだ。経営コンサルの立場から「何が『好き』かわからない人が多いが、一番人生で時間を使ったことが、やはり『好き』なことではないか。人生の棚卸しがコツだ」とアドバイスする。
キャリアチェンジを意識したのは、50代だった。「定年ちょっと前に起業して、“雇われる働き方”と“雇われない働き方”の違いを知った。会社員として3回転職しても、面白くなかったが、起業した途端に楽しくなった。周囲の仲間も起業した人は幸せそうだが、会社員を続けている、とくに定年再雇用は楽しくなさそうだ」。
仕事のバランスとしては、「月の半分ぐらい研修に登壇して、残りは趣味だ」という。「長く働き続けるコツは、“ファーストキャリア”で会社員として働き、雇われない“サードキャリア”を経て、75歳ぐらいから、ライフワークだけやる“サードキャリア”に移行する。ハワイで執筆業をする夢があり、そこにつながる“トリプルキャリア”を準備している」。
先輩たちの「定年退職で人間関係が激減する」姿を見て、「仕事は大事だ」と感じた。「『健康だから働いている』と言われるが、逆に『働いているから健康』だと思う」。
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