■火を消すだけじゃない「機能別団員」も
今回、消防団員確保マニュアルの作成に携わったリディラバ・安部氏は、注目したポイントの一つとして、消防団員としての役割が多岐に渡り、そこにフィットする人材を確保することがある。「データを見ると、女性や学生の団員はちょっと増えている。機能別団員という形で、火消しには行かなくてもいい、避難所の運営だけやってほしい、子どもたちへの啓発活動だけやってほしい、などいろいろある」と語った。機能別団員とは、常時参加が難しい場合や専門技能がある人など、特定の場面での活動が期待される消防団員を指し、より効率的・専門性のある訓練が可能にもなる。例を出せば、医療従事者による救急救助分団、ドローン隊、水上バイク隊、大規模災害のみ活動する分団などだ。
それぞれ別の仕事をしている消防団員だからこその長所を活かせる形であれば、参加もしやすいと安部氏は考える。「実際問題として、どういう人たちが何が得意みたいなことがある。看護学生なら、避難所運営とか啓発活動のモチベーションが高い。そういうセグメントには、こういう説得の仕方をするとか『全部やらなくて大丈夫』とか。いろいろな形で人を巻き込んでいくのが大事」と述べた。
入団への動機づけについては、EXIT兼近大樹も提案をした。「非常時に何か誰かのために助けになりたいという人はめちゃめちゃいる」とした上で「この段階だったら行けますとか、ここだったら僕にも行けますとか、入りやすくしたい。やはり子どもの時から『こういうヒーロー団があるぞ』と知ってもらうこと。知らないものには、なりたいとも思わない。子どもが小さい時から消防団が近くで見られれば、憧れの的になっていく」と語った。これには畑中さんも同意見で「子どもには義務教育の段階でボランティア精神を作ってほしい。大人になってから『ボランティアのつもりで消防団員をやれ』と言っても、なかなか入団してくれない」とも述べていた。
(『ABEMA Prime』より)


