全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」の予選Aリーグ1回戦第2試合、関西B 対 中国・四国が2月1日に放送された。注目の激突は、中国・四国が初戦からエンジン全開!圧倒的強さを見せつけ、完勝を飾った。中国・四国は勢いそのままに1位決定戦へ、関西Bは2位決定1回戦へと回る。
個性派揃いの中国・四国(鳥取・岡山・島根・広島・山口・香川・徳島・高知・愛媛)が、“個”の力を存分に発揮しチーム勝利を決めた。先鋒戦は、関西B(大阪・奈良・和歌山)の監督で大阪在住の畠山鎮八段(55)と岡山県倉敷市出身の新鋭・狩山幹生五段(23)の対決に。矢倉の出だしから畠山監督がペースを握って展開したものの、終盤はジェットコースターのような展開に。最後は先手の狩山五段に渡った銀1枚が大きなカギとなり、初出場初勝利を飾ることとなった。
続く次鋒戦は、関西Bの新メンバー・和歌山県上富田町出身の宮本広志五段(39)と広島市出身の糸谷哲郎八段(36)が激突。四間飛車対居飛車の対抗形から相穴熊になると、宮本五段が攻勢に出て主導権を奪いに行ったが、糸谷八段が経験値を活かすことに。華麗なさばきから馬を作り自陣へ引き付けると、自玉の堅さを活かして攻め勝った。
流れをつかんだチーム中国・四国は、中堅戦に山崎隆之監督(43)が出陣。秘策を引っ提げ奈良市出身の斎藤慎太郎八段(31)との一戦に向かった。斎藤八段のペースかと見られていたが、山崎監督は飛車銀両取りを打たせて手抜く勝負手から激しい攻め合いとなると、“ちょいワル”からの逆転に成功!実力者の斎藤八段も抵抗できないほどの切れ味で勝利をもぎ取った。
ここまで来れば、中国・四国はもう止まらない。副将戦にエースで香川県高松市出身の藤本渚五段(19)を投入し、大阪府高槻市出身の古森悠太五段(29)戦へ。序盤から加速度的に激しさを増した一戦は、終盤で藤本五段が自玉の安全度を見切って古森五段の玉頭に殺到。「ABEMAトーナメント2024」の個人最多賞、最多対局賞の2冠を獲得した実力を発揮し、地域対抗戦でもしっかり自軍に貢献した。
最後を決めたのは、岡山市出身の実力者・菅井竜也八段(32)だ。大将戦となった大阪府八尾市出身の大石直嗣七段(35)とはフィッシャールールで初対戦となったが、先手番で高勝率をマークする“つよおおいし”を後手番の菅井八段が圧倒。先手が抜け出しそうなタイミングで△1五角。直後の△6五歩からのラッシュが“振り飛車の勝ちパターン”となり、見事な快勝で決着を付けた。
終わってみれば無敗の5連勝。つけ入る隙のない圧巻のチーム初戦に、山崎監督は「思った以上にいいオーダーだったのかな」と自身の采配に満足げだ。圧巻の最短決着に、「理想的だけど、次が怖い(笑)」と思わぬ不安を口にする場面もあった。山崎監督は地域ファンへ、「すごく良いスタートが切れた。優勝を目指してみんなで一丸となって頑張りますので、これからも応援をよろしくお願いします!」と呼びかけていた。
中国・四国は勢いそのままに1位決定戦へ。次戦は谷川浩司監督(62)率いるチーム関西Aと激突する。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)