■「“マイナ保険証併用法案”でもあり、紙を残したほうがコストも安く済む」

 中谷議員は今回の法案について、「“マイナ保険証併用法案”でもあり、デジタル化を推進しながら、紙の健康保険証を残したほうがコストも安く済むという話だ」と説明。「資格確認証を導入すると平デジタル大臣もおっしゃっているが、導入経費はシステム改修に281億円、資格情報のお知らせに107億円、資格確認証の印刷に150億円ぐらいかかる。現状の健康保険証は約200億円前後で運用されているので、併用したほうがバランスよく進められるのではないか」と話す。

“保険証の代わり”資格確認証
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 また、「そもそも、マイナンバーカード自体が任意で取得するもので、マイナ保険証も義務ではない。100%移行する制度設計にはなっていない」とし、「マイナンバー制度が最もうまくいっていると言われている国がデンマークだが、1968年から57年の月日をかけて使えるようになっている現状がある。日本はまだ9年。もう少し腰を据えて、みんなが納得感を持てる状態まで成熟させていく必要がある」との見方を示した。

 そんな中、インフルエンザになった娘を病院に連れて行ったところ、マイナ保険証がシステムエラーで使えない出来事があったという。「結局、健康保険証を出すことになった。また、健康保険証とマイナ保険証だけなら2パターンで済むのだが、資格確認書が増え、システムエラーの際はマイナポータルの画面を見せたりなどで、8パターンほど増えていく状況がある。(病院側の)カードリーダーも、スマホ搭載に対応するためには機種を変えなければならないので、二度手間だ。一度立ち止まって、医療DXを見直したほうがいいのではないか」と訴えた。

■医師「“紙の保険証は停止だ”とするのはあまりにも強引だった」
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