中村伸一医師
【映像】2000人の住民の医療をひとりで支える、中村伸一医師の生活
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 福井県・おおい町の中で、山深い山間部に位置する名田庄地区。ここでは、2000人ほどの住民の医療をたった一人の医師が支えている。名田庄診療所の中村伸一医師は「この地区に限らず、実は今、地方ではドンドン医師の人数が減っている」と述べた。

【映像】2000人の住民の医療をひとりで支える、中村伸一医師の生活

 去年、厚生労働省が算出したデータによると、この状況が続くと、2040年には全国約2割の自治体で、医師がいなくなってしまうという。現在でも、医師ひとりに頼らざるを得ない兆候が、すでに表れている。

 名田庄診療所に赴任して32年、治療から看取りまであらゆることをこなしてきた中村医師だが、3年後には定年…。後任の医師はまだ決まっていない。

 ドクターの数は増える中、なぜ地方の医師は減る一方なのか。実際にへき地医療を経験した医師、専門家と共に、地方医療の在り方について『ABEMA Prime』で考えた。

■医師が経験した“へき地医療”

青木信也氏
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 千葉・勝浦市の塩田病院で地域医療に従事し、離島など、へき地医療も経験してきた、医師の青木信也氏は「500人の島、5000人の島、1万人〜2万人の島は、求められるニーズがそれぞれ違う」と説明する。「大きい離島はそこで完結してほしい方が増えてくる。そうすると、そこで外科や婦人科のこともやらないといけなくなる。500人になると、そこに1人の医師もおけないかもしれない。逆に2000人になると、1人の医師しか手当てが払えないかもしれない中、365日やるのは大変だ」。

 実際に、長崎・五島列島の病院での経験について、「1万人を超える島だったので、ある程度そこで完結しないといけなかった。外科が3名、婦人科が2名、小児科が2名で、365日をカバーしないといけない。夜のオンコールや急変。特に、救急車が来て緊急の手術する場合、2人ではできないから、婦人科や整形外科の先生も呼んで、一緒に手術することをせざるを得ない状況だった」と振り返る。

 研修で3カ月、沖縄・伊良部島の診療所に行った際は、「金曜日から日曜日まで1人体制だった」といい、「平日の夜も1人でやらないといけないし、どんな人が来るかわからない。交通外傷や、もうすぐ産まれる妊婦さんなどが来た時、自分の知識と経験でどこまで対応するか。3カ月で去るので、どうしたらいいかなって思うが、危険はおかせない。そのせめぎ合いでやらないといけなかった」と明かした。

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