■トランプ氏が与える西側諸国への影響は
隣接するカナダ、メキシコに対して、早速プレッシャーをかけてきたトランプ氏だが、ナギ氏は真のターゲットを中国だと読む。「トランプは交渉がうまい。私の目から見てみると、やはり本当のターゲットは中国だ。これから中国との交渉が始まる。トランプが強い立場から始めたいと思う。同盟の国に厳しい政策をすると、中国がどう考えるのか。中国の交渉がうまくいくかどうか。そこを考えていると思っている」。
関税の率については「中国には関税を10%もかけているが、これから60%までかけたいようだ。中国との経済のグランドバーゲンを作ってほしいのかもしれない。世界にはいろいろな問題がある。例えばウクライナの戦争。中国の力を使いながら、ウクライナの戦争をやめて平和な状況を作って、また中国と何ができるか。たぶんトランプは関税の政策や外交を使いながら中国を見ている。私が中国人だったら怖い」と加えた。
佐々木氏は、トランプ氏がこのまま突き進むことが与える西側諸国への影響を懸念する。「カナダやメキシコに関税をかける、あるいはEUにも、みたいな話をしていると、西側諸国いわゆるG7の動揺に繋がるだけだ。こんなに関税をかけるならアメリカと貿易できないとなってくると、EUは今までロシアのウクライナ侵攻で、ロシアと中国は仲がいいからロシア・中国に頼らないでG7の西側の国だけで経済を回していこうという経済安全保障みたいな開発が進んできたが、じゃあもう1回中国と僕らは貿易を再開する、中国に車を売ってロシアからも天然ガスや石油を輸入するという話になって、結局西側諸国が今までやってきた同盟が崩れてしまいかねない」。
さらには日本への影響についても考える。「西側諸国の基盤にあるのはアメリカの軍事力と経済力。それが盤石であるうちは、いくらロシアや中国が台頭してきても大丈夫だろうという安心感があった。だが、もうアメリカはそういうことはやらない、我々は好きなようにやるんだとなれば、長い目で見ると、カナダも含めて日本やヨーロッパはどうやってアメリカなしの世界で自立して国を守り、経済を動かしていくのかということを考えなければいけない瀬戸際に来ているのは間違いない。アメリカに頼っていれば大丈夫だという時代は終わりつつあるという認識は必要だと思う」と語った。
(『ABEMA Prime』より)


