■奈良から大阪・京都へ!外国人向けにも滞在型の拠点に

安藤美姫
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 佐々木氏は、奈良には“修学旅行”のイメージが強いとみている。「古代遺跡のある明日香村や、千本桜で有名な吉野山、天理市など、『派手な観光名所じゃないが、滞在すると気持ちいい場所』を打ち出さないといけない」。

 その背景には「日本の観光は、名所にたくさん来てもらう意識が強すぎて、ゆっくりとした滞在型の旅行を観光地側が意識していない」ことがあるという。「オーバーツーリズムで、『人のいない場所に行きたい』と言う訪日外国人は多いが、呼び込む発想があまり自治体側にない。宿泊施設もホテルでなく、ゲストハウスや民泊を増やし、補助金を出すやり方もある。長い目で見ると、地道に滞在型の観光客を増やす視点が必要だ」。

 工藤氏は「明日香村は、世界遺産登録に向けて頑張っていて、行政の考え方を変えるチャンスだ」として、「民泊型の修学旅行誘致を行うなど、民泊も根付いてきている。決してホテルだけでなく、長期滞在型の観光を考えていかなければいけない」と話す。

 佐々木氏は「名古屋が最近、外国人に人気だ。観光地としてではなく、名古屋に泊まれば、東京も京都・大阪も日帰りで行けるから。京都・大阪のホテルは高いため、『奈良に泊まって、京都・大阪に日帰りしよう』と提案すればいい。発想の転換が大事だ」と、観光需要のヒントを示す。

 安藤は「鹿」を軸にした、コミュニケーション型の観光を考える。「子どもたちが動物と触れ合うことで、癒やされ、生態の勉強にもなる。そこから『獣医師になる』『奈良に住んで鹿を守る』と思うかもしれない。幼少期の思い出は、大人になっても覚えている。奈良の素朴ないい部分を生かしてほしい」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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