埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故で、13日が経過したいまも転落したトラック運転手の安否はわかっておらず、本格的な捜索活動には至っていない状態だ。当初、運転手の応答があったというが事態は予想を遥かに超え、救助を阻む想定外の壁が次々に押し寄せていた。一体どんな「想定外」と直面したのか。
陥没は当初、直径も深さも10メートルほどで、消防によると、発生3時間後までは運転手とは会話ができている状態だったという。しかし、目視では確認できていなかった。
事故直後に駆け付けた消防は、隊員を穴の中に入れ、運転手の男性を救助しようとしたが穴の中の土砂が崩落。2人の隊員が軽傷を負って救助継続を断念した。続いて、複数のクレーン車でトラックごと引き上げる作業に取り掛かったが、今度は穴の近くで新たな陥没が発生。クレーン車に付けていたワイヤーも切れてしまい、運転席部分は穴の中に取り残された。さらに新たな陥没が発生し、それまで2つだった穴が 直径40メートルの巨大な1つの穴に。スロープを作り重機を投入しての救助を試みたが、次第に穴の中の水が増え足場が悪くなり作業を中断した。
救助作業の中断・再開を繰り返した中、ようやく手掛かりが得られたのは陥没事故発生から9日目に行った、水中ドローンによる調査だった。「いわゆる陥没地点から100〜200メートル。その地点で事故に遭われたトラックのキャビン(運転席部分)と思われるものが確認」(埼玉県大野元裕知事)
運転席部分は土砂とともに直径およそ4.75メートルある下水道管の中を流れ、移動したとみられている陥没現場から100から200メートルほどの場所に運転席部分と見られるものを発見。金属製で白く、若干変形しているという。
今回の道路陥没事故が起きた原因とみられているのは下水道管の破損。そのメカニズムの再現実験を行った、下水道などの地盤設計を行っている藤井基礎設計事務所の藤井俊逸代表は「現場は昔水没していた。海の中に砂とか粘土が溜まってできた土地。平野はだいたいそう。横のアーチのところは、まだ落ちる可能性がある」と指摘した。
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