緊急招集された“助っ人”の慌てぶりに、思わず最強棋士の表情も緩んだ。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」、予選Bリーグ1回戦・第1試合、関東A 対 中部が2月7日に放送された。第3局、中部は体調不良の澤田真吾七段(33)に代わり、宮嶋健太四段(25)が出場。大会初出場ということもあってか、駒が手につかない様子に藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が微笑むシーンがあった。
宮嶋四段は2023年10月にプロデビュー。藤井竜王・名人とは修行時代からの仲間として知られ“棋士の中で一番の親友”とも呼ばれる存在。藤井竜王・名人が奨励会に入った2012年からの付き合いで、その後は研究会などで交流を深めてきた。
澤田七段の代役として招集された宮嶋四段は、第3局で関東A・黒沢怜生六段(32)と対戦。先手番から居飛車・左美濃で構えると、黒沢六段は中飛車・穴熊で、戦前の予想通り対抗形でスタートした。開局早々、少し落ち着きがない宮嶋四段の様子に、藤井竜王・名人は「席についてから、水を注ぐのが手筋だったかと」とコメント。地域対抗戦では、普段の対局と異なり、事前に駒が盤の上に並んでいることから、いつもとリズムが違うために、コップに水を注いで気持ちを落ち着ける棋士が多いと指摘すると、青嶋未来六段(29)も「その手筋を教えておくんだったな」と笑った。
熱戦に思わず慌てる宮嶋四段
