エリア対抗の形式で行われる将棋の団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」に出場するチーム北海道・東北(北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島)が、山形県天童市を訪問。街中に点在する詰将棋に広瀬章人九段(38)らが悪戦苦闘した。
8地区で最大のエリアとなる北海道・東北。2期目となる今期、チーム監督を務める屋敷伸之九段(53)は、北海道札幌市出身の広瀬章人九段(38)、山形県鶴岡市出身の岡部怜央四段(25)、岩手県釜石市出身の小山怜央四段(31)、宮城県仙台市出身の山川泰熙四段(26)を出場登録棋士に選出した。
この日、チーム北海道・東北は地域のファンとの交流を図りつつ応援パワーを得るために、日本一の将棋駒の産地として知られる山形県天童市で『地域会』を開いた。将棋・駒・タイトル戦などの歴史を学ぶことができる将棋資料館のほか、天童市で開催された小学生名人戦の会場を訪問することとなった。
街ブラを楽しんでいた5人だったが、天童の街中には棋士にとって魅力的な“トラップ”がいっぱい。屋敷監督は、吸い寄せられるように「詰将棋がありますよ!」とニコニコ顔で電信柱に接近。岡部四段も「見ると危険ですよ」と言いつつも、視線はしっかりと詰将棋をとらえていた。その先には、7手詰の詰将棋がプリントされていたが、広瀬九段は「こういうの見るたびに思うんだけど、難しいよねー。通行人が簡単に解ける問題があまり存在しないと思うんだけど…」。その間にも棋士たちの脳内は詰将棋を解くことでいっぱい。岡部四段は「まだ詰まないんですけど…。あ、あ~?うん!?ちょっと危ないですね(笑)」と頭をフル回転させていた。
天童市街には、将棋の駒をモチーフにした像やマンホールの蓋、ポストが設置されているほか、電柱や歩道に詰将棋が点在。市内を周遊しながら詰将棋に挑戦することができるなど、棋士にとっても将棋ファンにとっても魅力あふれる街だ。
日本屈指の“将棋のまち”天童でパワーチャージした5人は、いよいよ初戦の関東B戦へ。前回準優勝の強敵ながら、自分たちが背負う地域を日本一にするための思いはどのチームにも負けない。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)