2025年度予算案をめぐって、与野党協議が山場を迎えるなか、自民・公明と日本維新の会は、子育て世代が注目する“高校無償化”に注目している。少子化が進み、与党も維新も教育の負担軽減に向かおうとしているが、私立高校の無償化で意見が分かれている。
【映像】「無償化はまやかしで“私立高校教員の公務員化”だ!」と詰められる維新・斎藤アレックス衆議院議員
与党側は4月から公立・私立問わず、全世帯を対象に11万8800円の支給を提案。また私立については現在、年収590万円未満の世帯に「最大39万6000円」が支給されているが、その上限額を2026年度から引き上げるかどうかを議論する方針だ。
しかし維新は、私立についても4月から支給を増やし、実質無償化すべきだと主張している。本来は多額の授業料がかかる私立の負担がなくなるなら、余裕のない家庭には喜ばしい。ただこれには懸念も出ている。『ABEMA Prime』では、維新議員とともに“私立無償化”の是非を考えた。
■維新「所得制限設けるべきでない」背景は?
私立校の高校授業料について、与党案では世帯年収590万円未満は現行助成額39万6000円を維持、現状910万円未満に限られて助成されている11万8800円を、今は助成のない「910万円以上」にも適用する案を出しているが、維新案では世帯年収を問わず、全世帯63万円を上限としている。
日本維新の会・斎藤アレックス衆議院議員は、「まず所得制限を設けることに反対だ」との姿勢を取る。「親の所得によって、子どもが受ける支援が変わることは、機会均等の観点から反対だ。子どもには収入がなく、チャンスは平等に与えられるべき。親に関しても、金融所得が多い人は支援の対象となり、逆に共働きで600〜700万円程度で生活している人は、私学の支援を受けられない」。
そのため、所得制限を設けるべきでないとして、「そもそも所得がある人は、所得が低い人より、税金も社会保険料も多く払っている。貧困対策として低所得者への手厚い支援は必要だが、子どもを社会で育てる必要がある時代には、私立高校も関係なく支援する仕組みに変えるべきだ」と主張する。
いま日本では、少子化が進んでいる。厚生労働省の「人口動態統計」によると、1994年に123万8328人だった出生数は、2024年に推計68万7080人まで減少し、30年でおよそ半減となる。
斎藤氏は「少子化対策として、私学を含めた支援が必要だ」と説く。「高所得者として扱われる共働きや現役世代は、『たくさん税金や社会保険料を払っているのに、なぜ支援対象にならないのか』『子を持つことを応援されていないのか』と感じている。そうではなく、『社会で子育てをサポートするから、金銭面は心配しないで』といった社会に変える必要がある」。
■公立高校存続の意義は「教育の多様性」

