■「日本人は“外国人慣れ”する必要がある」

Yuna
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  京都市産業観光局の「京都観光総合調査」によると、ここ10年間の外国人宿泊客のピークは2018年の400万人台だったが、コロナ禍を経た2023年には500万人台を記録している。京都市観光協会の調べでは、京都市の平均客室単価は2016年11月の2万2873円から、2024年11月には2万8686円に。公共交通機関にも影響が出て、満員・渋滞が慢性化した結果、京都市は「バス1日券」を廃止した。

 TikTokerでYouTuberのYunaは、「日本人が外国人慣れしていない」ことが背景にあるといい、「『殺すぞ』と言われて、たまらず投稿するのもわかるが、英語で発信するなどの対策もある。オーバーツーリズムをネガティブに捉える人が多いが、日本の手取りやアクティブ世代の人口が減っているなか、外国人観光客からの収入は必要だ。なくならない問題ではなく必要になってくる。対応できる人を増やすなど『外国人慣れ』する必要がある」との見方を示した。

 しかし、トラブルは他にもある。青山住職は「民泊利用者がゴミのルールを守らない。公園の横に民泊とおぼしき建物がある。そこから出てきた外国人らしき人物が、公園のゴミ箱に分類されていないゴミを捨てていた。それをカラスがあさって、片付けるのは近隣住民だ。ゴミの問題ひとつ取っても、住民として嫌だと思っている」と明かす。

 ジャーナリストの堀潤氏は、「困りごとは何なのか」が重要だと説く。「観光客が大きなキャリーケースを引いて乗るために、病院へ行くためのバスに高齢者が乗れなくなってしまって困っているならば、バス路線を別に用意するなどの対策が講じられる」。

 青山住職によると、「檀家(だんか)からも『足が悪くてバス利用していたが、観光客が多くて乗れず、もう法要に行けない』と言われた。京都では、観光地だけを回る『観光特急』のバスもあるが、そちらはガラガラで乗っていない」という。

■モラルやマナーを直すにはどうすれば?
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