雪上の路面を舞台に戦いが繰り広げられた世界最高峰のラリーで、トップドライバーが危機一髪。ブレーキが効かず、マシンの後方をヒットする危機一髪の一幕が起きた。
アクシデントが起きたのはWRC第2戦「ラリー・スウェーデン」の最終日。日本時間16日夜に行われた最終のSS18だった。フォードの若き新旗手、グレゴワール・ミュンスター(26)は、直前まで総合8位。序盤は暫定トップを上回るペースで若手らしくアグレッシブな走りを見せていたが中盤、右コーナーに差し掛かったところ、曲がりきれずにマシンの左リアをヒット。解説のピエール北川氏が即座に「ちょっとオーバーシュートだ!これやっぱ止まりきれないんだな」とコメントするアクシデントとなったが、何とかコースに留まり走行を続けた。
ただ、一連のアクシデント前まで暫定トップを0.3秒上回っていたところ、続く区間タイムは3.6秒遅れと痛いタイムロスを喫し、最終的に4秒遅れでフィニッシュ。ピエール北川氏が「普通のコースの場合、“ルートノートクルー”という、どういう路面状態になっているか(を確認する)チームで雇われたクルーがいる」「(彼らが)実際にチェックした内容をペースノートに書き込んでもらうようになっている」と解説したが、「ちょっと(コース状況を)読み違いというか行き過ぎている選手がちょこちょこ見えている」と言及したとおり、同ステージではコースを飛び出すドライバーが散見される難しい状況だった。
ミュンスター自身も、走行直後のインタビューで「あまりにも(雪が)深いところがあり、下にある氷のせいでタイヤがうまく出せなかった。(ペースが良かったので)もったいなかった」と悔しがった。中継視聴者からも「あちゃー」「リアやった」「ブレーキが思ったより効かなかった」「あーもったいない」「やっぱわだち深そうだねぇ」など多数の反響があがったように、ラリーの過酷さと、それでもマシンをゴールまで持ち帰り、限界まで攻めるドライバーの凄さを象徴する一幕だった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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