物腰柔らかな王子キャラが、盤上では野性味溢れるキャラに変貌した!?日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」、予選Aリーグ2位決定1回戦、関西B 対 九州が2月22日に放送された。第1局は、関西B・古森悠太五段(29)、九州・古賀悠聖六段(24)という20代同士のフレッシュな対決になったが、古森五段が終盤に見せた想像力豊か、かつ大胆な一手に解説棋士から「見たこともない手が出ました」という声があがった。
古森五段は2017年10月に四段に昇段してプロデビュー。優しい人柄、人当たりの良さなどから出身地とかけて「高槻のプリンス」と呼ばれている棋士だ。高槻といえば昨年12月に新たな関西将棋会館がオープンした場所。関西Bの監督を務める畠山鎮八段(55)も、この関西将棋会館について語るシーンも多くあり、高槻出身の古森五段としては、この地域対抗戦は絶好の活躍の場だ。
1回戦に敗れ、2位通過を目指す戦いに回った中、九州との大事な初戦を任されると、先手の古賀六段が居飛車・銀冠、後手の古森五段は得意の三間飛車に構え、囲いは銀冠から銀冠穴熊へと移行し、堅陣を築いた。両者互角のまま序盤、中盤と指し進める中、古森五段がワイルドな攻め筋を見せたのは88手目から。まず△5六歩と金にただで取られるところに歩を打ち込むと、古賀六段は素直に▲同金。すると今度は△8六銀と、またもただで取られるところに銀を打ち込んだ。この流れに解説していた井出隼平五段(33)は「え、え、えー!?見たこともない攻め方ですね」とびっくり。聞き手の貞升南女流二段(38)も同じく「え?すごい手が出ましたね」と驚いた。
古森悠太五段、驚きの一手




