田中さんは、ホワイトハッカーは「基本的には、対象となるサービスやシステムが存在し、世の中にあふれるITの穴を見つける。新しい侵入手法を見つける。さまざまな攻撃者が行う、新しい攻撃を発明する」仕事だと説明する。「探求というのが先に来て、日々集中して物事に取り組みながら、技術を学ぶ・生み出すことに没頭していることが重要だ。『仕事のために』『稼ぐために』では到達できるレベルに限界があると思っている」。

 働き方としては、「昼ぐらいに起きて、ミーティングや打ち合わせをしたら、プログラミングの勉強をする。世の中の外交や世界情勢の影響があるので、コミュニケーションを各国とやりとりして、寝るのが朝5時だ。人によって違うが、やりとりしている国の時差が当然影響する」と説明する。

 田中さんの会社「Fore-」では、採用も工夫している。「技術的素養はある程度定量的に判定できるが、『秘密を守れるか』や『物事に対してどれだけ順応に反応するか』を確認するために、海外に連れて行くなど、コミュニケーションを非常に大切にしている。レベルが上がれば上がるほど、識能ではなく資質のほうをどう見極めていくのかが難しいところだ」。

日本のホワイトハッカーのレベルは?
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