これからの銭湯には経営面での工夫が求められる

日本の銭湯数
拡大する

 後継者不足などから、年々減少の一途をたどる銭湯。2024年には、ピーク時から9割以上少なくなっている。

 こうした中、創業90年以上の老舗銭湯を残したいと、新保さんは2020年に黄金湯をリニューアル。有名アーティストらに内装を手がけてもらうなど、誰でも気軽に入りやすい銭湯を目指したという。

 一律550円と決められている東京都の銭湯の入浴料金。燃料費などが高騰する中、これからの銭湯には経営面での工夫が求められると新保さんは話す。

「滞在時間を長くしていただいて。お客様の単価が550円だとなかなか難しいので、お酒やオリジナルドリンクや美味しいご飯を提供して、一体となって楽しく快適に過ごしていただきたいと思っています」

 親戚の結婚式で上京してきたという広島県在住の男性。以前からここに来たかったという。

 彼は銭湯の魅力について「無心になれるっすね。思考を通り越して感覚だけというか」と話した。

 若者に加えて、海外からの客も訪れるという黄金湯。今後は、世界に向けても魅力を広めていきたいという。

「古いものは残しつつ。現在の時代に合わせた経営が必要だと思っています。地域のお客様に黄金湯を通してまち全体を楽しんで頂きたいというのと、海外にも銭湯というものの素晴らしさを知ってもらいたい」(新保さん)
 

「無限に挑戦できる余地がある」
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