1966年に静岡県で発生した、みそ製造会社専務一家強盗殺人事件、通称「袴田事件」。袴田巌さんは一度死刑判決が下るも、2014年に再審が決定し、2024年10月に無罪を勝ち取った。その決め手になったのが、捜査機関による「証拠のねつ造」と「自白を強要した不当な取り調べ」だった。
この事件をきっかけに司法への不満が募るなか、改めて注目を集めているのが「裁判員制度」。「もし当時、裁判員制度のような市民の目があったら違う結果になっていたのでは?」。そんな声を現実にした取り組みが、2023年に行われた。ボランティア団体が開催した、「袴田さん事件が裁判員裁判だったら?」と題した模擬裁判だ。
発案したのは、2014年に静岡地裁で袴田さんの保釈と再審を決めた、元裁判官の村山浩昭氏。現在は弁護士として袴田さんを支援している。『ABEMA Prime』では村山氏に模擬裁判の狙いを聞くとともに、裁判員制度の必要性と問題点を考えた。
■佐々木俊尚氏「同じことを事件当時にしたらみな有罪にしただろう」
