「自分ならできる」と思う“自己効力感”にも、生まれ月による差がある。「学力でも体格でも、早生まれの子は同学年より少し負けてしまう。自己効力感を生まれ月ごとにプロットしても、3月生まれが低くて、4月生まれが高く、自信の強い傾向が出ている」。

 東京大学の川口大司教授の研究によると、30〜34歳の早生まれと遅生まれの年収を調査したところ、早生まれの方が4%低いという結果になった。要因として「スポーツ、習い事が不足」「大卒率が低い」ことが考えられ、非認知能力が伸び悩み、所得の低さにつながる可能性が指摘されている。

 山口教授は「理由はいろいろ考えられるが、早生まれの子は頑張って学力を追いつこうとする一方で、体格が小さいためスポーツ活動が不足する。すると、やり抜く力(非認知能力)が伸び悩み、社会に出てからの“稼ぐ能力”につながらない。生まれつきによって大卒率も異なり、学歴が収入に直結する。大人になれば体格差は消えるが、社会的能力においては、不利な状況になってしまう」と考察する。

■生まれ月格差、解消の方法は?
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