■生まれ月格差、解消の方法は?
生まれ月格差の解消方法として、山口教授は、「早生まれの子どもへの理解(個人ではなく社会の問題)」「子どもの特性に応じた教育指導」「子どもの発達に応じた入学時期の設定(9月を新学期にしても抜本的な解決はしない)」「現在のスポーツ界は競技志向の高まりで勝ち負けを優先。必然的に体格が有利な遅生まれを重用(早生まれの才能の見逃しをどう防ぐ?)」などの論点を挙げる。
サッカー元日本代表の内田篤人選手は、3月27日生まれだが、高校1年生当時の2004年、JFA主催の「早生まれセレクション」で関係者の目に留まり、U-16代表に招集された。早生まれセレクションとは、日本サッカー協会が1~3月の早生まれの選手にスポットを当て、年代別代表において新戦力の発掘をしようという試みだ。
山口教授は「生まれ月で不利になるのは、やはり不公平だ。面白がるだけでなく、課題解決に近づけるために、まずは知ってもらう必要がある。また、早生まれの子どもは、成熟に時間がかかるため、それに合わせた声かけも重要だ」と考えている。
早生まれのプロスポーツ選手が少ないのは、「早生まれの才能をスポーツ界が見逃している」結果だとして、「大器晩成型な子を見抜ければ、サッカーワールドカップでベスト8に行けたかもしれない。早生まれは成長が遅いことを考慮に入れて、選手を選ぶことが重要だ」と語る。
では、教育現場でできることは何か。「教える効率を考えると、なんらかの形で学年を区切ることは重要になるが、同学年だから同じように教えるのではなく、ひとり一人の成長に合わせた教育が必要だ。他の子と比べるのではなく、その子自身の成長に注目して欲しい」。
(『ABEMA Prime』より)
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