3日、林官房長官は会見で同日ニューヨークの国連本部で始まる核兵器禁止条約第3回締約国会議への参加を見送った理由について説明した。
オブザーバー参加を求めていた被爆者団体などから憤りの声が上がっている点について、林官房長官は以下のように述べた。
「核兵器禁止条約第3回締約国会合へのオブザーバー参加のご要望を多くいただき、石破総理大臣の指示のもとで、過去にオブザーバー参加した国の事例なども検証の上、様々な角度から熟慮を重ねてきた。その結果『現下の状況に鑑みれば、この会合に我が国がオブザーバー参加することは適当とは言えない』との結論に至った」
「判断の第一の理由は、安全保障面にある。現下の厳しい安全保障環境のもと、国民の生命と財産、我が国の独立と平和を守り抜くためには、核による拡大抑止が不可欠だ。その中で、核抑止と相いれない核兵器禁止条約の締約国会合にオブザーバー参加すれば、我が国の核抑止政策について誤ったメッセージを与え、平和と安全の確保に支障をきたす恐れがあると考えた」
「また、核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かということも熟慮した。国際的な核軍縮は、核兵器国と非核兵器国が広く参加するNPT（核兵器不拡散条約）のもとで進めることが引き続きより望ましいと考えている。オブザーバー参加はNPTを強化すべく我が国が進めてきた取り組みに広範な支持を得ることを困難にする恐れがある。これは、核軍縮の進展を得る上で望ましいことではないと判断した。核兵器のない世界を真剣に目指していればこそこのように考えるに至ったので、これからもこうした考え方について丁寧な説明を尽くすとともに、核兵器のない世界に向けた現実的かつ実践的な取り組みを推進していく」
そして、次回会合以降については「今回の結論も踏まえて然るべく判断することになる」とした。
（ABEMA NEWS）
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