シャアのような振る舞いを貫いていたフル・フロンタルだが、第3話の初登場でさっそく印象的な名言を残している。交渉が決裂し、「ラプラスの箱」を手にすることもできず、オードリー・バーンの救出にも失敗してしまった部下に対し、彼は「過ちを気に病むことはない。ただ認めて、次の糧にすればいい。それが大人の特権だ」と語った。
この言葉は、シャアの名言のオマージュしているようにも感じられるが、冷静に聴き比べてみると、シャアとフル・フロンタルはまったく逆のことを言っている。シャアは「若さゆえの過ちを認めたくない」と語ったが、フル・フロンタルは「過ちを受け入れ、次に活かすことが大人の特権」と断じている。
シャアのように振る舞いながらも、かつてのシャアとは異なる成熟した言葉を発するフル・フロンタル。その違いが、1年戦争時代のどこか青臭さのあったシャアとは一線を画す存在であることを際立たせていた。
アニメ「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」は2016年4月から9月にかけて放送されたサンライズ制作のロボットアニメでOVA「機動戦士ガンダムUC」を再構築した作品。富野由悠季氏・矢立肇氏が原案で、作家・福井晴敏氏による同名小説を映像化した。「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」から3年後となる宇宙世紀0096年が舞台。
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