■自傷行為をやめられない当事者
29歳のゆうこさんは、自傷行為について、「普通の人にはないと思うが、自殺したくなる、オーバードーズしたくなる、リストカットしたくなる、そういうコマンドが自分の中にあって、なんか選ばざるを得ない感じだ」と語る。
そもそも、ゆうこさんが初めてリストカットしたのは、14歳のときだった。「兄が性的虐待をしてきたが、親は私を責めた。『家に味方がいない、切らないとダメだ』と、心のドロドロしたものがスッキリして、傷を見て安心した」と振り返る。
それ以降は、オーバードーズすることもあり、18歳で実家を出て環境を変えるも、やめられなかった。年始に「自傷行為をやめること」を目標に掲げたが、今もやめられていない。
胸の内は「最初からずっとやめたいと思っている。自殺は一番よくない選択だから、生きるために他の対策も試してみたが、どうしてもこれでしか発散できない」と明かす。「基本は明るくいたい。本当に信用した人には話すかもしれないが、なるべく他の人に知られたくない」。
自傷行為をするタイミングについては、「感情の波が高まったときが、確率として高い。夜やひとりでいて、相談相手がいないときも多い」と説明した。
■大人の自傷行為…原因は?
