「受かりそうかどうか」が重要な意思決定のファクター

東京大学の野田俊也氏
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 現状の問題点について、こう指摘する。

「自分が行きたいかどうかだけが判断基準にならず、『受かりそうかどうか』が非常に重要な意思決定のファクターになってくる。生徒たちは『どこなら受かりそうか』をまず読み合いをするという形になって、これに非常に大きな労力が割かれている。その労力は実は学力とは何の関係もない」

 公立高校を1校しか受けられない地域の場合、例えばこんなケースが発生してしまう。

「単願制」の問題点

公立高校を1校しか受けられない地域の場合
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 難関校を受けたAさんだが、合格最低点にわずかに及ばず、惜しくも不合格に。一方のBさんは、準難関校にAさんよりも低い点数で合格。単願制のため、Aさんは準難関校を受験できず、Bさんより高い点数でも入学することはできない。

 不合格となった生徒は、私立やより志望度の低い公立の二次募集という選択肢から進学先を選ぶことになる。

 そんな「落ちてはいけない」という前提があるため、生徒は自分の学力や各学校の倍率をもとに、受験校を1校に絞るという戦略を立てている現状がある。

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