自民党の当選1回の衆議院議員に対し10万円相当の商品券を配っていた件について、14日の参議院予算委員会で、石破総理は自民党の山下雄平議員から追及された。
山下議員「事務所の方が配ったというが、今回でいうと15人から10万円で150万円だが、それ以外にあったとすると少なくとも数百万円単位になる。そうしたポケットマネー、個人のお金を数百万円単位で事務所に預けているのか?」
石破総理「そのような物騒なことはしない。ただ、おかげさまでと言うべきか、当選期数が1回、2回の時は、なかなかパーティー券も売れなかった、寄付もいただけなかった、それよりは莫大な借金を抱えていた。当時は金利も高かったので、手形書換のたびに『どうやって利息を払おうか』などと思っていたが、39年もこの仕事をしていると、ランキングはけっして上の方ではないが、いろいろご厚志をいただくことを適法にやらせていただいている。大臣・総理大臣という役職に就くとそれなりの歳費に上乗せを頂戴する。その部分を事務所の鍵のかかる所に保管をするとかそういうような形で持っているが、数百万円もそのようなことを保管しているものではない」
山下議員「今週は東日本大震災から14年という節目の日を迎えたが、東日本大震災から13年目の3月11日、私は能登に水産部会長として被害調査で現地に入っていた。その時に一緒に伺ったのは石破水産総合調査会長(当時)。ずっと奥能登まで視察に行って最後、金沢駅から東京に夜に帰る時に石破さんは『カレーを食べよう』と言って『ゴーゴーカレー』の列に並んで2人でカレーを食べた。1000円もしないカレーを食べている時に、石破会長(当時)がおっしゃったのは、当時、まだ去年の3月なので『能登の被災地の人はこんな温かいご飯を食べられていないだろう。私がこういう温かいカレーを食べるのは本当に申し訳ないし、ありがたいことだ』と。そうした感覚を持っていらっしゃること、また、駅で普通のカレー屋さんに列に並んで食べる感覚、これがやっぱり石破総理に皆さんが期待されていたことじゃなかったか。今回の対応は国民の感覚とやっぱりずれ、総理になってずれてしまってたのではないか」
石破総理「昨年の3月に山下議員と一緒に被災地を回り、帰りの新幹線乗るまで少しだけ時間があったので、カレー屋さんに並んだ。ずっと並んで、相席で他のお客様と一緒にカレーを食べさせていただいた時に、『ありがたいな』という話をしたことを今思い出した。やはりそういう感覚を総理大臣という仕事をやって、なかなか、なんせコンビニに行ったぐらいで新聞に載るわけで、一般のお客様にも大変なご迷惑をかけてしまう。そういうことで、世間の皆様方と遠くなってしまっていると反省をすごくもっているところだが、なかなかそういうところに入っていくと警護の方々にも負担をかけ、いらっしゃるお客様にも大変なご迷惑をかけてしまう。いかにしてそういう感覚を失わないようにするかは、今回改めて痛感をし、さあどうしたらいいんだろうねと思っている。自分なりに最大限の工夫をして、感覚が失われているとすればそれは猛省しなければならないし、『すれば』ではなくて、失っていることを深く反省するところだ」
山下議員「今、政治とカネの問題で自由民主党に対して強い不審の目が向けられていると私も思っている。先週の党大会で石破総裁は『国民は政治を信じていないではないか』というような話をされた。まさにそういった状況ではないかと強く思う。参議院においては、政治倫理審査会もずっと開かれているが、会の冒頭、会長は必ず『法的な責任の有無ではなく、政治家として政治的道義的責任をどう認識されますか?』と尋ねられる。まさに石破総理にお伺いしたいのは、政治家として政治的道義的責任についてどう認識されているかだ」
石破総理「あれこれ申しても、政治は結果責任だ。多くの方が不快な思いをなさり、そしてお怒り持ってるということについては当然責任を負うべきものだ。だから、なんとかして少しでもありがとうという気持ちを伝えたいと、本当にありがとう、すまないねという気持ちを伝えたいということを自分が思っておっても、世の中の人がそう思わないということであれば、それは真摯に受け止めて猛省をいたすものだ」
13日、23時20分過ぎ、そして14日の早朝に石破総理は会見を開き、改めて違法性を否定。商品券を配布したのは初めてではないとし、野党から追及されている自身の進退については「これは公職選挙法にも政治資金規正法にも何ら抵触をするものではない」と述べた。
商品券が配布されたのは今月3日に総理公邸での懇親会に参加した当選1回の議員15人ほど。懇親会の当日、石破事務所の秘書が参加する議員らの事務所を直接訪問しおみやげという名目で届けた。
受け取った翌日に返却した議員もいるという。石破事務所の関係者は商品券の費用は総理のポケットマネーから捻出し、違法性はないとしている。この懇親会には石破総理のほか林官房長官らも同席していた。「政治とカネ」が国会で議論される中で、石破総理への批判が高まる可能性がある。
(ABEMA NEWS)
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