■ヨーロッパに走る緊張
フランス・マクロン大統領が「アメリカが味方であり続けると信じたいが、そうでなくなった場合に備える必要がある」と発言したことは、ヨーロッパの中で緊張感が高まっていることを意味している。専門家は、どう捉えたのか。
秋山氏「やはりヨーロッパの各国がロシアに対して感じる脅威は本物だ。ロシアは核を持つ国で、特にウクライナの紛争の中で、ロシアが核を使うことを示唆しながら恫喝を繰り返し、さらに自分たちに有利な戦局を展開しようとしていることに、本当に自分たちのこととしてヨーロッパは受け止めている。その中でアメリカとの同盟が信用できなくなってきていて、核の役割を考えていくということは論理的だと思う。
ただ一方で、本当にフランスが核の傘を提供するといった時に、例えば意思決定はどうするのか。ロシアが持っている核は、今配備されているだけで1550あると言われているが、フランスは250くらいで、イギリスと合わせて500ほど。単なる数の計算だと、割に合わない。だとすると、どんな抑止なのか。あるいは核を使うといった時に、どこで使うのか。いろいろ考えてみると、オペレーション的にはかなり難しい」。
■世界の核弾頭数は…
