「画面の中は“お祭り状態”になる」

成蹊大学の高橋暁子客員教授
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「視聴者側は(ライブ配信を)無料で見ることができるが、投げ銭をすると配信者に喜ばれ、収益につなげたり応援ができる。本当に末端の配信者はほぼ稼げないが、上位の配信者は(月に)100万円単位が一般的で、多い方だと数百万円稼げることもある」

 視聴者が投げ銭にのめり込む心理を次のように説明する。

「例えば高額な投げ銭をすると、プラットフォームによっては花火が上がるなど、ギミックが高額になるほど派手になる。それによって配信者も喜び、他の人に負けられない気持ちになり、『他の人がこのぐらい出していたから自分はさらにその上を課金していこう』『投げ銭していこう』ということに」

 逆に、配信者側を前のめりにさせる仕組みもあるという。

「プラットフォームごとにイベントが多く行われていて、投げ銭の金額でランキングが決まるのだが、ランキング上位者には報奨金が出たり、CM広告に出られたり特別なご褒美のようなものがある。『あともう少しで上位に行けるからお願い』と視聴者にお願いし、視聴者側は『あとちょっとだから○○ちゃんのために』ということでちょっと無理してでも多く投げ銭をしてしまうようなことがある」

 こうして配信者・視聴者どちらもが夢中になり、最終的に起きるのが…

「画面の中は“お祭り状態”になるので、配信者側は高揚感やみんなが自分を応援してくれているという気持ちになる。そういう循環が生まれて、配信の空間が形成される」

「好きだからこれだけお金をかけてるんだ」と錯覚
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