テレ朝にアポイントメントも何もなく
精神科医の木村好珠氏は「距離感」をキーワードに挙げる。
「最初はライバー、リスナーという、オンラインであるからこその一定の距離感があると思う。そこからオフ会で『直接会えるんだ』となってしまって、さらに視聴者側が設定したオフ会に行かなかったら投げ銭をもらえないとなると“上下関係”が出てきてしまう。社会生活では今はいろいろなハラスメントがあるからこそ、距離感にフォーカスできている会社も出てきている。またアイドルの方などは事務所に入られてる方も多いが、ライバーも事務所はあるもののまだ個人でやっている方も多い。事務所が無いことで守られない部分も多いので、自分自身で距離感を意識しないといけない。あくまでライバーを応援するリスナーだとしっかり自覚しないといけない」
ABEMA NEWSキャスター楪望氏も2020年から約2、3年の間ライブ配信を行い、トラブルを経験した一人だ。楪氏は3つのエピソードを語った。
「スタジオがあるテレ朝に関西の方から(視聴者が)いらっしゃった。特にアポイントメントも何もなく。配信上は皆さんハンドルネームなので『○○さん』と(受付から)言われた時に『どこかでお世話になった方かな』と何も疑わずに1階に降りたら知らない方で。『ライブ配信でいつも聞いてる』と名乗られて。お菓子などを頂いたがちょっと怖かった」
「背景に気を付けていたつもりだったが配信中に映った窓のふちだったり、扉の色などで住んでいるエリアを特定され、『近くに引っ越しました』と配信上のコメントで言われた。エリアの名前とかも出たので、否定も肯定もできず怖かった。その後引っ越した」
「ありもしないことをコメント欄で言われたことがある。例えば『僕と彼女(楪氏)は特別な関係でご飯を食べに行ったりデートしたり、それ以上の関係があって、お前らとは違う』という嘘八百を書かれて。でもコメント上ってみんな信じたりする。だから火消しが大変だった。その人のことはブロックした」
成蹊大学の高橋暁子客員教授によると、「ライブ配信時に注意すべきポイント」「ライブ配信で改めて気をつけたいこと」
には以下がある。
「ライブ配信時に注意すべきポイント」
・居場所が分かる配信はしないこと…誰もがアクセス可能な場所の場合は、ファンだけではなくアンチも来てしまう
・背景や周囲の音…建物・看板etcの背景や、騒音などの音声、空模様etcの天候に注意。 動画は情報量が多い
・屋外なら複数人で実施を…1人だと配信に夢中になりセキュリティが低下
・屋内でも背景に注意…窓の形・カーテンの色 が「外から見えるヒント」になりえるし、屋内の背景も不動産サイトの内覧画像で照合される恐れも
「ライブ配信で改めて気をつけたいこと」
視聴者:配信者との「特別な関係」は錯覚 実際は1対多の関係と認識を 借金などせず可処分所得の範囲で楽しむ
配信者:多くの投げ銭をさせるために視聴者に特別感を匂わせない 直接会わない 自宅や生活圏が分かる発言をしない
(『ABEMAヒルズ』より)
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