■どこまでがアウトでセーフ?線引きはできるのか
では「性的な広告」は、どこに境界線を引けばいいのだろう。「水着姿やグラビア写真・動画」「温泉・プールなど入浴シーン」「ドラマやマンガのラブシーン」「精力剤など性的な事に関わる商品」「出会い系、マッチングアプリの勧誘」「脱毛、豊胸などで卑猥さを強調」「キスシーン」といった場面に加え、動画や写真、イラスト、漫画など表現方法によっても違いは出てくる。
永守氏は「映画やゲームのように『全年齢』や、ある程度の年齢以上を想定するものといったガイドラインを、広告業界が作るのはどうか」と提案する。「18禁サイトは絶対にアウト。性暴力表現もはじいて欲しい。『どこまでが性的か』は難しい問題で、業界とユーザーが試行錯誤しながら、適切なラインを見つければいい」。
子どものアクセスをめぐっては、「保護者が広告除去アプリを使って自衛しろ」といった意見もあるそうだが、「それは長い目で見ると、広告を見る人全体が減っていくことになる。やはり広告業界が節度を持ってやっていく方がいい」と考えている。
文筆家で情報キュレーターの佐々木俊尚氏は「人によって受け止め方は違う」として、「胸が大きいイラストを『性的だ』と捉える人もいれば、『普通の自己表現だ』と感じる人もいる。その境目がハッキリしないのが問題だ。『意図して性的にしている広告』と、表現の自由が規制される『意図がないのに性的に捉えられた広告』は切り分けて考える必要がある」と語る。
■広告表現に制限は必要?
